ニートスポーツ論

10代ニートが日本のスポーツ事情について語るブログ バレーとテニスにハマり中

大人がスポーツを1から始められる環境少なすぎ問題

部活動の有難み

今はもうやっていないとしても、子どもの頃にスポーツに取り組んでいたという方は多いのではないでしょうか?

「どこで?」と聞けば、ほとんどの方が「学校、部活」と答えるはずです。

日本の文化といえる「部活動」はスポーツ振興に多大なる貢献をしています。

私が通っていた高校でも男子校だったこともあり、生徒の8割ほどが何らかの運動部に所属していました。

道具代を除けばほぼ無料ですから、スポーツ好きにとって運動部に入らない理由はありません。

さらに新入生が同時に入部することで、非常に丁寧な指導が上級生や顧問の先生から受けられるというおまけ付きです。

当時、私はその有難みがわからなかったものですが、部活動の力によって日本の若者がスポーツを始める環境は非常に整っているのです。

 

大人がスポーツを始められる環境の少なさ

一方、大人がスポーツを始めるための環境はどうでしょうか?

私はつい最近、バレーボールを1から始めてみようと思い立ち、そのための環境を探しました。

最初から「まあ簡単には見つからないだろうな」とは思っていましたが、想像以上に難航します。

スクール、クラブのようなものは全くないので、結局社会人サークルに絞って探したのですが、どれも経験者募集のサークルばかりです。

やっと初心者参加OKのサークルを一つ見つけたのは、探し始めて一か月ほど経った頃でした。

 

運良くそのサークルに参加させてもらえ、今も活動しているのですが、バレーボールを始めるためだけにこんなにも労力を使うのかと驚きました。

私ほどのスポーツ大好き人間(&暇人)であれば一か月サークルを探し続けることもできます。

しかし、ちょっとテレビで見て、もしくは漫画で読んで「バレーって楽しそうだな。やってみたいな。」と思った社会人にはそれは難しいでしょう。

「面白そうだけど面倒くさいから今はいいや」と諦めてしまうのが普通です。

 

「大人になってからスポーツに目覚める」ことができる社会を目指して

これは非常にもったいないことだと私は思います。

そうして諦めていった人たちの中にどれほど才能をもった人がいたのか、と考えてしまうのです。

どんなに凄い才能をもっていたとしても、やってみないことにはその才能が輝くことも発見されることもありません。

今の日本では、「スポーツの才能を発見することができる時期」が子ども時代に限られてしまっているのです。

 

もしかすると「大人になってからスポーツの才能に気づいても遅いよ。プロになるには間に合わない。」という意見をもつ方もいるかもしれません。

それについては私も同感です。

プロの世界は厳しいので遅くとも10代前半に始めておきたいところでしょう。

でも、必ずしもプロを目指す必要なんてないですよね。

この意見には多くの方が賛同してくれるはずです。

「趣味として嗜むだけでもいいじゃない!」と。

 

ただ、私の意見はその「趣味として嗜むだけでもいい」とは少し違います。

「才能をもっているからには、それを仕事にするべきだ」と私は思うからです。

まとめると「プロになることは難しいが、それを仕事にすることは諦めるべきではない」です。

この意見が矛盾しているなんてことはありません。

コーチ業や体育の先生などが代表的な仕事の例として挙げられますし、ビジネスの幅はもっと広いはずです。

 

この意見に対しては「もし才能が見つかったとしても社会人の多くが既に定職について特定分野のスキルが磨いているはずだし、今更スポーツに進路変更はできない!」という反論が向けられるでしょう。

もちろん私も、自分の才能を充分に活かして毎日充実して仕事をしている方にスポーツへの路を勧めるようなことはしません。

ただ、この国のサラリーマンの何パーセントが自分の才能を活かせているのでしょうか?

自信をもって「今の仕事は天職だ」と言える方がどれほどいるのでしょうか?

才能を活かせていないのであれば、才能が見つかっていないのであれば、スポーツへの進路変更を考える余地は充分にあるはずです。

 

スポーツをビジネスにするという思考が環境作りの第一歩

話が横道に逸れたような気もしますが、あながちそんなこともありません。

結論から述べると、日本で大人になってからスポーツを始めることが難しい要因として、「『スポーツをビジネスにするという思考』が欠如していること」が挙げられるのです。

上で述べたように、日本人の多くが「スポーツは(プロ以外)仕事にならない」と思っています。

中学、高校、大学とずっと同じスポーツをやっていたのに、就職となると大手企業の総合職を志望する…なんて人はたくさんいますよね。

しかし、私のようにスポーツを1から始めたいと思っている人間が全国にたくさんいるのですから、需要があることは間違いありません。

仕事にならないと思うのは創造力不足というもので、仕事に結びつける路は無限にあります。

 

そして誰もビジネスに結び付けようとしないからこそ、大人が1からスポーツを始めるための環境が存在しないのです。

上で述べたように私の場合は運よく社会人サークルに紛れ込むことができましたが、それは邪道な方法です。

社会人サークルはあくまで経験者が集まって遊ぶためのものですし、基礎はできてあたりまえです。

初心者が入っても指導を受けることはできず、基礎がおろそかになるので急速な上達も見込めません。

事実、私も満足のいく指導は受けられず、上手い人のプレーを見て学んでいます。

 

初心者が1からスポーツを始めるためには、やはり指導者が必要です。

もちろん指導を受けるとなれば無料というわけにはいきませんが、それこそが健全な形なのです。

お金を払ってスポーツの指導を受ける、またお金をもらってスポーツの指導をする、そういう行為が当たり前になれば、大人がスポーツを気軽に始められる社会になっていくことでしょう。

 

みんな、スポーツを金にしよう。